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借地権について

借地権のお話 あれこれ!

まずはじめに借地権とは?

建物の所有を目的とする地上権または土地の貸借権のこと。 簡単にいうと「人の土地を借りて、その土地に自己所有の建物を建てる」ということです。

借地権は大きく分けると「旧借地法(旧法)」「現在の借地借家法(新法)」に分けられます。 旧法は新法に比べ借地権者の権利が強くなっています。

それではここで少し歴史のお勉強をしましょう!

時は明治時代、日露戦争による経済的な発展に伴い、地方から都心へと人口が増加した結果、借地や借家が普及しました。

戦前では借家率が8割弱もあったそうです。 平成10年頃は借家率も4割程になりました。

日本も戦争時代に突入するにあたり、戦争に勝つためには法整備が何より優先され、軍人の住居を確保することが絶対条件でした。 そのため、より強い借地人の保護が必要となり、大正10年に「借地法」が制定されました。

日本の借地制度は地主にとって利益がない、人に土地を貸すのはやめたほうがいい!と本音で言われていました。 昭和16年に借家法の改正もありました。

ここで確認しましょう!

旧法の普通借地権の法的な特徴を2つ。 1つは「正当事由制度」 30年の期間を設けても土地の返還がない! その土地を使う必要性が高いのは地主?借地人? そうです、借地人はその土地を追い出されると住むところがありませんから、土地を使う必要性が高いのは借地人です。 地主の正当事由とは、ほかに土地がなく、その土地を使う必要性が借地人より高くなる場合のみ。本来地主はほかにも沢山土地を所有している場合が多いため、その土地をどうしても使わなければならないという理由は該当しません。

もう1つは「法定更新制度」 地主の正当事由が確立されない以上、借地期間も法律で更新することになります。 地主にとっては面白くない法律ですね。 借地権は半永久的、一度賃貸すると土地は半永久的に戻ってこないということ。

そこで新しく平成4年8月に新借地借家法が施行され借地法は廃止、定期借地権の条項が加えられました。

定期借地権には第22条 存続期間を50年として、契約の更新及び建物の構造による存続期間の延長がなく、買い取り請求をしないこととする旨を定めることができるものと、第23条 事業用定期借地権や第24条1項 建物譲渡特約付き借地権があります。

ここで地主側のメリットとして、 
(1)土地の返還が確実であること。
(2)固定資産税や都市計画税が軽減されること。
(3)保証金による一時金が得られること。
(4)安定した地代収入が得られること。
(5)相続税評価減対策となり得ること。
(6)そして何より美しい街並みが形成され、土地のグレードを上昇させ地域貢献できること。

逆に借地人のメリットはどんなものがあるでしょうか?
(1)所有権の分譲と比べ価格が安いこと。
(2)広い土地・広い建物・ハイグレードの建物に居住できる。
(3)同一価格に比中心部から距離がさほど遠くない等好立地にマイホームを取得できること。
(4)住宅に多額の資金を投入することなく、住宅ローンに縛られない余裕のある人生設計が可能になることなど。

ではここで皆さんが気になる借地人としてのデメリットも考えてみましょう。

通常の所有権に比べ借地権には地主の承諾が必要となるケースがほとんどです。

まず建物の増改築や建て替えなど

承諾料は建物の条件を変更(非堅固建物から堅固建物)を伴わない場合、更地価格の3%程度が一般的で、増改築の内容によっては5%の場合もあります。 条件変更を伴う場合は更地価格の10%程度が承諾料となるケースが多いことも。 もし地主が承諾しない場合でも裁判所に対し、地主の承諾に代わる許可を求めることができます。

それから借地契約の更新料
一般的には借地権価格の5%~10%とされるケースが多いようです。

もう1つは借地上の建物を売却する場合の譲渡承諾料(名義変更料とも言います)
お客様から購入いただく方へ名義が変わるわけですが、一般的に譲渡承諾料は売主が地主に支払います。 こちらは借地権価格の10%程度が一般的です。 相続の場合は承諾は不要です。(遺贈を除く) もちろん地主が承諾しない場合は裁判所に許可を求めることができます。

ここでいう借地権価格の算定方法ですが、正確な算定には不動産鑑定士による鑑定評価が必要です。 簡単な方法としては国税庁が公開している路線価図を見ましょう。 例えば更地価格が4000万円で路線価図の借地権割合が60%の場合、借地権価格は2400万円となりますが、借地権価格の個別性が反映されていないので、あくまでも参考程度の金額ということをご理解ください。

承諾料を支払う以外のデメリットとしては、毎月地代(借地賃料)を支払う事

一般的に固定資産税の2~3倍程度です。土地についての固定資産税は所有者の地主が当然負担します。 お客様は建物のみの固定資産税の負担になるという事です。

戦後の地価上昇は「土地神話」(土地は下がらない)という絶対的な価値観を生み出しました。バブル崩壊後には「土地神話」も崩壊し、土地を所有するというパラダイムは大きく転換しました。今日の借地権事情は土地の「所有」に代わる「利用」による住宅取得として、時代にふさわしい選択となり迎えられるのでしょう。

所有権・借地権を選ぶのはあなた次第です!
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